PRODUCTION NOTE
日韓共同の制作体制によって誕生

日本統治時代の朝鮮の街並が忠実に再現されていることも本作の魅力のひとつだ。それは、映画『ブラザーフッド』(2004)やドラマ「エデンの東」(2008-09)などが撮影されたハプチョン(陜川)映像テーマパークや、映画『王の男』(2
005)、『ファン・ジニ』(2007)、ドラマ「イ・サン」(2007-08)などが撮影されたプアン(扶安)映像テーマパークのオープンセットを使用したことも一助になっている。林業試験所の建物内のシーン撮影は、クンサン(群山)で行った。
日本家屋が残る街として、また映画『八月のクリスマス』(1998)の撮影地としても名高い海辺の街だ。
またスタッフも日韓共同制作体制をとり、VFX 制作や編集・録音などの仕上げ作業はCJ POWERCASTの協力のもと、すべて韓国でおこなわれた。こうした製作姿勢が評価され、KOFIC(韓国映画振興委員会)の支援も決定。KOFICが
外国映画の支援をするのは本作が初になる。

巧の生誕120年であり没後80年にあたる2011年。その11月、故郷の山梨県北杜市の人々が訪韓し、ソウルの忘憂里に墓参、韓国の関係者とともに「浅川巧 日韓合同追慕祭」をおこなった。その中に、『道~白磁の人~』で巧を演じた吉沢悠とイ・チョンリム役のペ・スビンの姿もあった。巧の墓前で吉沢悠は厳かに手を合わせて拝み、ペ・スビンは最大限の敬意を表すお辞儀クンジョルをおこなった。また、2人は一行とともに国立山林科学院に赴いた。巧の時代に植えられ、今では空高く枝を張る大木となった松に、2人はそれぞれ頬を寄せ、改めて巧からエネルギーを受け取った。撮影に入る前にも一緒に巧の墓参をした2人は、その瞬間から友情を感じ、撮影の合間には英語で会話を重ね、ときには一緒に釣りをするなどして、友情を深めていった。ペ・スビンは「高橋監督は本当の巨匠です。しかも、こんなに仲良くなれる僕たちをキャスティングしてくれたところが素晴らしいです」と語るのだった。

史実に基づく物語 6月9日(土)新宿バルト9、有楽町スバル座他にて全国ロードショー